金婚式の旅

時が経つのは早いですね。
主人と結婚して50年です。10月13日が50年目の結婚記念日です。


とりあえず、その記念として、10月2日〜3日で旅行することに決めました。私の体調も考え、妻籠宿と馬籠宿を訪ねる旅にしました。


10月2日の朝10時に家を出て、稲武で昼食をとり、妻籠に14時半ごろ到着です。真っ青な空にはいわし雲…。四方山々に囲まれ、空気は美味しく、風は爽やかで気分爽快です。中山道の宿場町だった頃の昔の町並みがいまだに保存されていて、町並みを眺めながら、穏やかな秋の陽射しの中、あちらのお店やこちらのお店を覗きながら、島崎藤村の母親の生家である妻籠本宿を訪ねたり、昔、木賃宿であった建物の中を見たりしながら楽しみました。店先の生花が可愛かったお店で、木曽の木地で作られたお椀を5客購入しました。
どこからともなく、良い匂いが…ふと見ると、黄色の花を沢山つけた大きな金木犀の巨木を見つけました。
1時間ほど散策をし、車を走らせること10分ほどでホテルに到着しました。チェックインを済ませ、まずは温泉です。大きな湯船のヒノキの内風呂や、広い露天風呂、それと肌にしっとりとしたお湯がとてもいいです。爽やかな風と陽射しを浴びながら、手足を伸ばし、
「これ以上の贅沢はないわよね。」
と思いながら、ゆっくりと入りました。そのあと、少し早めの夕食です。バイキングですが、品数が多いことにびっくりしました。お互いに皿に料理をとり、まずは白ワインで乾杯です。
「長い間、お互いにありがとうだね。」
と言い合って…。お料理の味も良いので、ワインがすすみます。ゆっくりと食事を済ませ、部屋に戻ると、主人はワインの酔いがまわってきたのか、すぐに夢の中でした。私は主人を部屋に残して、もう一度、露天風呂です。空にはたくさんの星が輝き、細い三日月も綺麗です。広い夜の露天風呂を独り占めでした。幸せって、こんなものかもしれませんね。


翌日は、10時にホテルを出ました。ゆっくりな出発です。栗きんとんが好きな娘にお土産をと思い、確か馬籠に川上屋の出店があったことを思い出し、馬籠峠を越え、馬籠宿へと向かいました。山深い道を15分ほどで到着しました。目の前に恵那山が飛び込んできました。馬籠宿は坂が急でキツイです。私が町並みを楽しみながら、ゆっくりと坂を下っていると、主人が、
川上屋は、坂の下の方だから、お母さんの足では無理だと思う。栗きんとんを買ってくるから、お母さんは、その辺をゆっくりしているといいよ。」
と言い残して、坂を下りて行きました。私はその後ろ姿をみて、
「優しいねえ。」
と思いながら、嬉しかったです。坂があまりにもキツイので、途中で引き返し、車中の人となりました。主人は大変です。これからずっと運転です。他愛もないことを、あーでもない、こーでもないなどと話しながら、楽しい金婚式の旅は終わりました。1泊2日の旅でしたが、主人の優しさを沢山見つけられた旅でした。感謝しかないです。