孫の成長

身も心もうららかな陽ざしを浴びて…。
そんなある日の朝のことです。近くに住む孫のゆうとに、何気なく、
「ゆうと君、今日はおばあちゃんと、ドラえもんでも観に行こうかね。」
と誘うと、
「僕、ドラえもんは家族とは観に行きたくないな。友達となら行ってもいいけど…。」
と、意外な返事が返ってきました。友達と会うと、どうも恥ずかしいようです。娘が、
「あらっ、ゆうちゃん。今日はどうしたの?ランチ付きで、鎌倉文庫で本も買ってもらえるのに。おばあちゃんとデートしてくればいいのに…。」
すると、
ドラえもんより、エヴェレストのほうがいいんだけど。」
と、ゆうとの返事です。娘が私に気をつかって、
「少し難しい年頃になってきたのかしらね。少しずつ観るテレビ番組も変わってきてるし…。」
と、言うので、私も、
「少年になってきたのかもね。4月になると中学生になるんだもんね。4歳くらいからいつも春休みは、おばあちゃんとドラえもんとランチと本屋さんのセットだったのにね。8年続いたゆうととのデートもそろそろ終わりかしらねぇ。」
などと話していると、がぜん主人が張り切ってきて、
「『エヴェレスト』ならおじいちゃんも一緒に行こう!」
ということになり、三人で出掛けました。
ランチは、主人と私はパスタで、ゆうとはピザです。
『エヴェレスト』は、とても美しく、素晴らしい映画で、感動しました。

だんだんと成長していくゆうとを見ながら、頼もしいやら、何となく寂しいやら…。でもやっぱり、4月から中学生になる孫の成長が楽しみですよね。そんなことを感じた春の一日でした。