信じるものは…

2月14日(火)の朝のことです。主人が、
「今日のお休みは矢合の観音さんに行ってみない?」
と、声をかけてきたので、
「へぇ〜。おばあちゃんの夢でも見たの?」
と聞くと、
「そういうことではないけど、おばあちゃんが生前よく、矢合の観音さんって言っていたのを急に思い出したから…。」
と、主人。私が、
「お水でも汲んでくるの?」
と聞くと、
「まさか…。」
と主人。

矢合観音は稲沢市にある在家観音さんで、昔からそこの井戸から汲み上げた水は霊験あらたかで、飲むとどんな病気でも治ると言われていました。いわゆる民間信仰で、主人も私も子供のころから、その水は『ありがたい水だから』と言って、親に飲まされたものでした。
主人の母(姑)には、主人が赤ちゃんの頃、大病を患った時に完治したのも『矢合の観音さん』のおかげだからー。と、私が嫁いできた頃からよく聞かされたものでした。おばあちゃんは何の疑いもなく、それを信じきっていました。何の根拠もなく、非科学的なことなのですが、『信じるものは救われる』ということなのでしょうか。主人も私も昔からおばあちゃん(姑)に、観音さんのお水をありがたがって飲むように言われて、内心とても嫌な思いをしながらも、断ることができず、それでも仕方なく飲んでいたような記憶があります。もちろん、お医者様からいただいたお薬と自身の治癒力で病気は治ったんだと思いますが…。


さて、おばあちゃん(姑)の昔話に思いをはせながら、稲沢の町を車を走らせていると主人が、
「何となく稲沢の町は西尾によく似ているね。植木屋さんが多いね。」
と言うので、私も
「知らない土地に来るのもたまにはいいよね。」
などと話しているうちに、目的地に着きました。平日ながらお詣りの方が多く、皆さん、水を入れる容器を手に井戸水を汲み上げていました。とりあえず屋内に入ると、観音様が安置されていました。そのお顔はとても穏やかで優しく、拝顔すると、気持ちがふっと軽くなるのを覚えました。外に出て、汲み上げた霊水を一口二口いただいて帰りました。”信じる者は救われる”この言葉が何となくわかったような気がしました。何の科学的根拠もありませんが…。年齢を重ねたせいなのか…。
亡き姑を思い出し、懐かしんだ良い一日でした。