言葉

今日は、心に残る素敵な言葉と出会ったお話しです。


小春日和の暖かな晩秋のある日、足助の香嵐渓へ主人と紅葉狩りと洒落たのですが、少しばかり紅葉には早すぎたようでした。三州足助屋敷の中は意外と人はいなく、晩秋の陽射しを浴びながら、過ぎ去った昭和の時代を思い出し、主人とゆっくりと散策出来ました。
足助屋敷から一歩出ると、賑やかな人だかりが出来ていました。
昔懐かしい、猿回しです。日光猿軍団を思い出します。上手に演技をし、みんなに拍手をしてもらうと、嬉しそうにペコンと頭を下げる仕草など、可愛いです。久しぶりに大笑いしました。
紅葉の道をはずれ、河原に下りました。主人が、河原にある大きな岩を見て、
「子供の頃、遠足にきて、あの岩の上でお弁当を食べたよな。」
と私に言うので、
「そうそう、懐かしいわよね。」
などと相づちをうちながら、
「ああ、気持ちいいわよね。」
と、大きく深呼吸。開放感に浸りながら楽しい一時を過ごしました。
それから、少し階段がきつかったけれど、香積寺に立ち寄りました。本堂でお詣りを済ませ、座禅堂に入ると、とても心に残る言葉が目に飛び込んできました。メモをとった訳でも無かったので、記憶をたどると、確かこんな意味合いの言葉が書かれていました。

年老いて、ゆっくりと、ていねいに、やわらかく生きる。

何故か、この言葉が心にストンと落ちてきました。
まさに、この生き方です。
「一日、一日を、この言葉のように重ねていきながら、穏やかに生きたいよね。」
と、主人に言うと、
「そんな生き方ができるといいな。」
と笑いながら言っていました。


青空のもと、おいしい空気をお腹いっぱいに吸って、紅い紅葉や、少し若々しい緑の紅葉の中を散策し、心ゆくまで過ぎ行く秋をゆっくりと楽しみました。


幸福とは、意外とこんなことかも知れませんね。